2012年12月8日土曜日

ポール・デルヴォー展 - 夢をめぐる旅 - (下関市立美術館)

P1020996
雪が時折交じる曇天の下,誰もいないからすごく寂しそうに見える。
父の車の夏タイヤを冬タイヤに換装するために,山口市のディーラーに出向く。狐の嫁入りにしては強めの雨が降る中40分かけて到着し,10分で作業が終了,家に取って返す。今度は,自分のプリウスのタイヤを履き替えさせるために,車を乗り換えて再びディーラーへ。タイヤをホイールに着脱する作業が加わるので小一時間ショールームで待つ。
支払いを済ませて,来年のカレンダーを貰ったら,下関へ。小郡ー宇部道路に乗ってずんずん走ると,あらら宇部まで連れて行かれて,そこから山陽道に乗り換えて小月で降りた。
ここで降りたのは,王司にある「とんかつ黒」で昼食にするため。
CA3I0451
とんかつ定食(830円)
付け合せのキャベツが千切りとざく切りの2種類あること,コーヒーがセルフで無料で振舞われていることなど,以前ルルサスにあってもう閉店してしまった「つつみ」という店を思い出させる。というか「つつみ」は下関に本店のある店が出店したと聞いたことがある。
カツの右端から2枚目まではやや脂身が多かった他は,普通の揚げ具合で可もなく不可もなく及第点。味噌汁は赤だし風味で,ご飯はやや固め。お替りはしなかった。定食の評価は値段からして十分なものだった。四角い摺り鉢は意外とごまを摺り易かった。

今日のお目当ては,下関市立美術館で開催されているポール・デルヴォー展。
ポール・デルヴォー展フライヤー(表) ポール・デルヴォー展フライヤー(裏)
デルヴォーの作品には,1990年春,横浜美術館で一度出会っている。実に20年振りの再開となる。
あまり有名でないのかしら,天気が良くないことを割り引いても美術館の中は土曜日の午後なのに閑散としている。
同じベルギー生まれのルネ・マグリッドもシュルレアリスム(超現実主義)の画家である。ただ,デルヴォーの作品には共通して現れるモチーフ,たとえば,生命の象徴としての骸骨,ギリシャ風の建築,カンテラ,姿見,ランプ,女性,リーデンブロック教授,等など があって,そこには現実にはありえない風景が描かれているのだけど,モチーフを通してこの世界との接点が保たれているような気がして,他のシュルレアリスムの画家とは一線を画していると思っている。
一番印象に残ったのは《トンネル》という作品。
「トンネル」(1978年、油彩、カンバス、150×250センチ)=ポール・デルヴォー財団蔵(C)Paul Delvaux Foundation,Belgium
図録によると,中央の列車はこちらに後部を向けているらしい。ということは,トンネルの奥が列車の進行方向だ。画面上部にはプラットフォームのようなものがたくさんあって,そこからもレールが伸びているのだろうか。阪急梅田駅みたいなところのようらしい。
この世とあの世を往復する列車とか,色々と考えられる。姿見に映る少女の実体が画面内にないのも気にかかる。それから,パースが妙に狂っているようで画面の左や右の方をみていると,どことなく落ち着かない気分になる。
鑑賞後は,館内喫茶室フーガでコーヒーを飲む。ここのコーヒーはサイホンで入れてくれる。お店の方から姫路美術館はかなりの数のデルヴォー作品を収蔵していると教わる。機会があれば,そう,姫路城の大修理が行われている期間中に訪ねてみたいと思う。
帰りは,高速をすっ飛ばして帰ってきた。冬タイヤの規制もなく,雨も降らずに済んだ。

0 件のコメント: