2013年11月2日土曜日

五百羅漢図展(幕末の鬼才 狩野一信)~山口県立美術館

Owly Images
五百羅漢図を観に県立美術館に出かけてきた。

まず,大内のみほり峠で握り唐揚げ定食(1380円)を食べる。小鉢は小芋と蛸の煮物。

16:00頃に美術館に到着。竹中直人が案内してくれる音声ガイドを借りて1回目の鑑賞。ガイドを聞きながら1時間半ほど掛けて一巡する。コレクション展が無料で開放されていたので,雪舟等楊作の屏風や図巻も観る。スピリチュアルな世界展は,須田一政の写真に魂のようなものを感じた。香月泰男は相変わらずの(褒め言葉)のシベリアシリーズ,郷愁-チェルノゴルスク収容所の作品群。

2幅で一対の場面となる五十対,全100幅の掛け軸の一つひとつに宇宙服のヘルメットをかぶっているような(頭光)姿の羅漢が5体(場合によっては4体と6体とか多少の変化はある)描かれている。そのどれもが写実的でしかも実に人間的である。仏の教えを法力を発揮する羅漢がいる一方耳を掻いてる羅漢がいたり,地獄の亡者を救う羅漢もいれば地獄図に涙する羅漢もいる。どれもがユーモラスであり,仏の教を広めるという役割の他に娯楽性をも兼ね備えた作品となっていることに驚く。

今日からの3日間は「五百羅漢ナイト」と称して20:00まで開館している。そして18:00から学芸員によるギャラリートーク「五百羅漢図夜話」がある。これに参加するために館内のカフェでコーヒーを飲みつつ時間をつぶす。

113

「夜話」は全部で40名位の参加者とともに始まった。案内をしてくれるのは学芸課長の河野通孝氏,この方のトークは軽妙洒脱で面白い。見逃していたポイントがいくつも見つかる。その中でも,人々に救済を与える羅漢たちが,帝釈天と阿修羅が戦っている場面では何もせずに半ばあきらめ顔で眺めているだけであるという指摘は,仏法を用いても争いを好むという人の性は救いようがないということを表しているのかとハッとさせられた。

短く感じられた70分,それでもたっぷり堪能した後,とっぷりと暮れたパークロードを駐車場へと戻ることにした。

0 件のコメント: